膝は身体を支えます。しかしこの支えるということが曲者で、二本足歩行では平地で体重の3倍、階段の昇降で7倍の力が掛かります。また激しい動きの中でもしっかりと支える安定性(ダッシュ、スイッチ、ストップ、ピボットなど)を要求されますが、この時の膝の負担は想像を越えるものがあります。
膝の動き
膝の関節は蝶番関節といい曲げたり伸ばしたりするだけの単純な形ですが、これだけでは体重の何倍もの重さを支えることは出来ません。
膝の動きをよく見ると少し複雑な動きをしています。膝が完全に曲がった状態から少しずつ膝を伸ばしていくと、下腿(脛の部分)は大腿(太ももの部分)に対して少しずつ外旋(外側に回転する動き)していきます。これをスクリューホーム運動と言います。
1.膝を完全に曲げた状態~60度位までは関節は滑り運動を起こし、大腿骨(腿の骨)は脛骨(すねの骨)の後方のほぼ同じ位置に接します。
2.膝を60度以上伸ばしてくると関節は転がり運動が主体となります。この時、大腿骨と脛骨の接する位置は徐々に前方に移動していきます。この動きのおかげで膝は身体を支えることが出来るのです。
<膝の症状>
関節に水が溜まる
- 正常時でも関節内には3ml程度の関節液が存在しています。これは関節の内側を覆っている滑膜の血管から、常に関節内に関節液が分泌され、また吸収さ れているというメカニズムによるものです(関節が炎症したりするとこのバランスが崩れ、関節液が溜まってしまいます)。
関節に血が溜まる(関節血症)
- 主に怪我など外傷が原因。血流がある組織(靭帯、軟骨、半月、骨など)が損傷し出血をおこします。
- 一番多いのが十字靭帯、特に「前十字靭帯」の損傷が膝の外傷性出血の80%を占めます。
- 変形性膝関節症の進行過程で出血する事もある。
- 「色素性じゅう毛結節性滑膜炎」 明らかに外傷がなく、関節血症を繰り返すときは、この疾患を疑い医師の精査を受けてください。
この記事をご覧頂いたアナタ様が、1日も早く元気なお体を取戻して頂けますよう、願っています。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
坂本忠幸
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